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ブローネマルクシステム

ブローネマルクシステム [インプラントシステム]

ブローネマルクシステムとは

歯科に限らず、骨の中に金属などを埋込する治療を総称して「インプラント治療」とよびます。チタンと骨の結合技術が確立する以前は、材料として金、サファイア、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの様々な素材が使用されてきましたが、どれも体が拒否反応を起こしてしまい、良好な結果が得られずにいました。しかし、スウェーデンの学者ペル・イングヴァール・ブローネマルク博士が、偶然に純チタンと骨の組織がしっかりと結合することを発見したことから、その後の実験を通じてチタンが生体親和性の高い金属であることが証明され、現在の歯科治療でも利用されている、歯科インプラントが確立されました。ブローネマルク博士の名前をつけた世界初の実用インプラントである、ブローネマルクシステムインプラントは、世界初のインプラントシステムであり、40年以上の長い臨床実績を誇り、世界でもっとも信頼性が高いインプラントシステムと評価されているのです。

オッセオインテグレーション(骨結合)の発見

1952年、スウェーデンの学者ペル・イングヴァール・ブローネマルク博士がウサギの脛にチタン製の生体顕微鏡を取り付けて、骨折の際の骨が治癒する過程において、骨髄がどのような役割を果たすかという実験をおこなっていた際に、偶然にチタン製の器具がウサギの骨にくっついてしまい外せなくなったことから、チタンが骨の組織と拒否反応を起こさず結合することを発見しました。これをブローネマルク博士は、オッセオインテグレーション(Osseointegration)と名付けました。オッセオインテグレーションとは、ラテン語で「骨」を表す「os」と、英語で「統合」を表す「integration」の造語で、骨とチタン製のインプラントが結合するという「骨結合」を意味しています。オッセオインテグレーションの発見以来、様々な実験がおこなわれ、歯科治療への応用を探り、1965年に人間での臨床応用をおこないました。これが歯科であった理由は、口腔内の顎の骨は体の内部と外の世界との境界面でもあったことが挙げられます。この世界で始めてブローネマルクシステムによるインプラントの治療を受けたのは、ヨスタ・ラーソンという男性で、彼は生まれつき顎の骨が弱く、数本しか歯が無かったそうですが、インプラント手術は無事に成功し、彼が亡くなるまで41年間もの間、インプラントは問題なく機能したそうです。ブローネマルクシステムインプラントを用いた治療成績は、1本の歯を失ってしまった方から、複数の歯を失ってしまった方まで、10年経過後の残存率が約97%という高い成功率を誇っています。さらに1990年以降、ブローネマルクシステムインプラントは、整形外科の分野にまで波及し、人工関節付きの義足や指の再建の他にも鼻の軟骨までも再現させる試みがおこなわれています。

チタンとは

チタンは、軽い素材で耐食性が強いため、歯科医料だけでなく、その他の医療や工業の様々な分野で利用されています。化学工場の生産設備、航空機、自動車、建築などの耐食性が重要な状況下での利用や、ゴルフクラブや万年筆のペン先などといった身近な日常にも利用されています。また、チタンは生体親和性の高い金属であることから、骨と結合する特徴を持っているため、その性質を生かしてインプラント体や人工関節などの材料として、現在も多くの患者さんの身体の一部として機能しています。

インプラント体と骨結合

インプラント体の表面の性状によって、インプラントと骨の結合に差が生じることが研究によって明らかになっています。表面が滑らかなインプラント体よりも、微少に表面が粗くなる加工を施したインプラント体のほうが、十分な骨結合(オッセオインテグレーション)が得られることが分かっています。表面が粗いといっても、数十\nm(ナノメートル・1000分の1ミリ)という肉眼では判別できないレベルの差ですが、その微少な差がより強固なインプラント体と骨のと結合を可能としているのです。

インプラント体の骨結合にかかる期間

大分県の歯科医院でインプラント手術をおこない、インプラント体と骨が結合するまでにかかる期間は、個人差はありますが、下顎で2~3ヶ月程度、上顎で3~6ヶ月程度が目安です。インプラント体が骨との初期結合を得るまでに、余計な刺激を与えずに、安定させることが望ましいため、この期間に過度な力を加えると手術をおこなった周辺の骨や粘膜組織にダメージを与えてしまうため、傷口の治癒が遅れたり、インプラント体と骨がしっかりと固定されにくくなる可能性があります。

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