セレック(CEREC)とは「ceramic reconstruction」(セラミック修復)のことで、
セレックシステムとは、ドイツで開発されたコンピュータ制御によって、被せ物などの補綴物を設計・製作する「CAD/CAMシステム」です。3D光学カメラを使用して口腔内を撮影することで、印象材を使用した歯型採りの必要もなく、撮影された歯列をコンピューター上で確認することができます。確認後、コンピューターの3D画像から補綴物の形を設計し、「ミリングマシン」と呼ばれる機械で設計されたデータを基にセラミックブロックを削り出し、精密に補綴物を整えていきます。従来のセラミックの補綴物を作製する場合は、歯型を採ってから院内技工や歯科技工所に作製の依頼をして、補綴物が完成するまで待つのが一般的で、現在でもほとんどの場合が従来の方法をおこなっています。しかし、セレックシステムを使用することによって、最短1日で補綴物ができあがるので、その日のうちにキレイな白い歯にすることが可能です。ただし、セレックシステムは歯1本の単位でしか治療がおこなえないため、何本かの歯を土台としたブリッジや、連結した補綴物の作製はできません。そのような場合は、型採りをおこなう従来の治療が必要となります。
セレックシステムメリットとは?
短期間で治療が終わる
従来の治療法でセラミックを使用した補綴物を作製する際、2~3回程度の通院が必要です。しかし、セレックシステムを使用することで、最短1回の通院でその日のうちにセラミックの補綴物を作製することが可能になったので、通院の頻度が少なくて済みます。症例によっては即日の治療ができない場合もありますが、従来の治療法より短期間での治療が可能です。
耐久性に優れている
オールセラミックブロックを使用するため、従来のハイブリッドセラミック(レジンとセラミックが混ざった素材)と比較して、非常に高い耐久性を持ちます。15年後の残存率を調べた研究によれば、従来の治療の場合、残存率約68%なのに対し、セレックシステムを使用した治療は約93%と非常に高い結果がでています。
費用を抑えることができる
従来の治療では、院内技工や歯科技工所と連携して、詰め物や被せ物などの補綴物を作製するため、院内技工や歯科技工所に支払う費用が発生してしまうことで費用が高くなってしまいます。しかし、セレックシステムを使用した場合、すべての製作工程を歯科医院単独でおこなえることで費用を大幅に引き下げることが可能となるので、患者さんの経済的負担を軽減することができます。
精密な補綴物を作製できる
従来の治療法は、複数の過程を経て補綴物を作製するため、どうしても微妙なズレが生じてしまう場合があり、このズレによっては患者さんの歯に合わなくなってしまう可能性もあります。しかし、セレックシステムは非常にシンプルな製作工程であるので、ズレが生じにくく、歯に合わないということはほとんどありません。
噛み合わせが調整できる
完成したセラミックの補綴物を歯にセットした後、医院によっては噛み合わせのバランス精密計測機器を使用して、噛み合わせのバランスを精密に計測することが可能です。計測した数値を基にして噛み合わせのバランスを整えていくため、補綴物がより長持ちします。
歯の色が自然で美しい
セレックシステムはセラミックの補綴物を院内で作製するため、歯の色を患者さんの歯に合わせやすく、より自然な美しい補綴物を作製することができます。また、セラミックは着色や変色しにくい性質を持っているので、美しい状態をより長く保つことが可能です。
金属アレルギーの心配がない
セレックシステムで作製する補綴物はセラミックの素材を使用しているので、レジンによる補綴治療と違い、経年劣化による着色や変色、摩耗などの心配がありません。また、一般的に「銀歯」と呼ばれる金銀パラジウム合金を使用した補綴治療と比べて、歯垢(プラーク)が付きにくく、金属を使用していないので金属アレルギーの心配もありません。
まとめ
セレックシステムを使用した治療は、最短でその日のうちに補綴物が完成するため、仕事などで治療や通院に時間をかけられない方にはお勧めの治療法です。また、以前に銀歯を使用した治療をおこなっている場合でも、セレックシステムを使用することで銀歯をセラミックの白い歯に変えることも可能なので、審美面でも非常に優れた治療法だといえます。ただし、どの医院でもセレックシステムが使用できるというわけではないので、もしも治療をお考えの方は、一度大分県のかかりつけの歯科医院に相談して頂くことをお勧めいたします。