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インプラント矯正とは

インプラント矯正とは

一般的な矯正治療であるブラケット矯正治療は、ブラケットという器具を歯の表面に装着して、ブラケットにワイヤーを通して引っ張ることで歯を動かすのですが、歯を動かす支点を奥歯などの動きにくい歯にするため、引っ張るための支点となる奥歯が逆に引っ張られてしまうこともあります。その結果、奥歯自体が前に動いてしまうリスクがあるため、引っ張る力には限界があります。

インプラント矯正は、矯正治療用につくられた特殊なチタン製のインプラント体を顎の骨に埋入して、それを支点にするので、強い力で歯列全体を動かすことができるため、治療期間の短縮や、確実な治療結果が得られるなどの様々なメリットのある方法です。

インプラント矯正で使用する装置

インプラント矯正には、主に「スクリュータイプ」と「ミニプレートタイプ」があります。

スクリュータイプは、顎の骨の側面に5mmから10mm程度の長さのネジ型のインプラント体を埋入して、ワイヤーを引っ張る支点にする方法で、インプラント矯正では主流となる方法です。手術は麻酔をしてからインプラント体を埋入するための1mm程度の穴をあけて埋入します。処置自体は痛みも出血もほとんど伴わず、15分程度で済みます。

ミニプレートタイプは上顎の内側の中央付近に、2、3本のインプラント体を埋入して薄い金属の板(プレート)を固定し、それを固定源にして他の歯を移動させる方法です。スクリュータイプよりも大きな力に耐えることができますが、外科処置が多少複雑になるため、口腔外科等で処置をおこなう場合もあります。

インプラント矯正のメリット

・歯を引っ張る方向が自在にできる

通常の矯正治療の場合、奥歯を支点にするため引っ張る方向も限定されてしまいます。しかし、インプラント矯正の場合は、インプラント体を埋入する位置によって、歯を上下左右と立体的に力を加えて引っ張ることができます。

治療期間を短縮できる

奥歯などと違って、顎の骨としっかり結合したインプラント体を支点にすることで、歯を動かしたい位置へ強い力で移動させることができるため、短い矯正期間で歯列を整えることが可能です。そのため治療期間を短縮することができます。

抜歯をせずに矯正が可能な場合がある

一般的な矯正治療では、歯を移動するための十分なスペースがない場合、歯を移動しやすくするために健康な歯を抜くこともあります。しかしインプラント矯正は、矯正力が強く、大臼歯を含める歯列全体を大きく動かすことができるので、抜歯をせずに矯正治療が可能な場合が多いです。

難症例にも対応

前歯が大きく重なっていたり、重度の出っ歯や受け口などの不正咬合(悪い歯並び)の場合、歯を移動させるスペースをつくるために抜歯をするなどして、歯列全体を大きく動かさす必要があるため、治療時間が長くなってしまいます。また、歯並びの根本的な問題が顎の骨にある場合には、顎の外科手術が必要となることもあります。インプラント矯正は、こうした難症例に対しても歯を大きく動かせるので、対応しやすくなります。

複雑な装置が必要ない

重度の叢生や、それを伴う出っ歯や受け口などの矯正治療は、歯を様々な方向に強弱を付けながら引っ張る必要があるため、歯の表面のブラケットだけを支点にすると、装置の組み方や調整がとても複雑になってしまいます。しかしインプラント矯正は、大きく動かしたい歯に対しインプラント体を支点にして装置を組むことができるので、装置をシンプルにすることが可能です。

インプラント矯正のデメリット

外科手術が必要になる

インプラント矯正はインプラント体を埋入するための外科手術が必要となります。しかし、手術自体は局所麻酔を用いておこない、時間も15分程度で終わる簡単な手術です。

骨質によっては抜ける場合もある

インプラント矯正は、インプラント体と顎の骨がしっかりと結合することが大切です。しかし、顎の骨が薄かったり、強度が不十分である場合はインプラント体が抜けてしまうこともあります。

費用が比較高額になる

インプラント手術の費用は、保険適用外治療(自由診療)となるため費用が比較的高くなってしまいます。目安としてスクリュータイプ1本あたり、2万円から3万円程度です。ミニプレートタイプは、その2~3倍程度の費用がかかることが多いです。通常のブラケット矯正よりも費用はかかってしまいますが、わずか数十分の手術で矯正効果が高まるだけではなく、治療期間の短縮も可能になることを考えると、決して高くはないといえます。

インプラントの治療費について

扱っている医院が少ない

インプラント矯正は治療期間が短くできる治療として、注目度が高まっている矯正方法ですが、広く一般的に普及している方法ではないため、インプラント矯正を受けたくても近くに扱っている歯科医院がない場合もあります。

手術後の痛みや腫れは?

手術後スクリュータイプの場合は、痛みや腫れなどはほとんどありませんが、ミニプレートタイプの場合は、歯を抜いた後程度の腫れや痛みがあります。インプラント体は必要がなくなり次第除去しますが、その跡はほとんど分かりません。スクリュータイプの場合、基本的に日常生活に支障をきたすことはありませんが、ミニプレートタイプの場合は、4~5日間顔の腫れが続くことがあります。

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