過去相談して「インプラントが出来ない」と言われた方。歯科医院選びで悩んでいる方へ最新の情報を配信しています。
血友病と歯科治療

血友病患者と歯科治療

血友病とは

血友病とは、「血管」「血小板」「血液凝固因子」の出血を止めるための3つの要素のうち、血を固める作用の「血液凝固因子」が生まれつき不足または欠乏している病気のことをいいます。

出血を止めるための過程には、12種類の血液凝固因子(第Ⅳ因子以外はタンパク質)が関係しています。これらには発見された順に、ローマ数字でⅠ(いち)からⅩⅢ(じゅうさん)までの名称が付けられていますが、第Ⅳ(よん)因子はCa2+(カルシウムイオン)、第Ⅵ(ろく)因子は欠番となっています。この12種が次々と反応を起こして、最終的にフィブリンという糊(第Ⅰ因子のフィブリノゲンが変化したもの)を作り、出血を止めようとするのですが、血友病の患者さんは、そのうちの一部が遺伝的に不足しているため反応が途切れてしまうので、出血が止まりにくくなってしまいます。

第Ⅷ(はち)因子が不足しているタイプを血友病Aといい、第IX(きゅう)因子が不足しているタイプを血友病Bといいます。血友病は血が止まりにくい病気であって、出血しやすい病気ではありません。

血友病患者と歯科治療

血友病患者さんが、初めて歯科にかかるときは、まず血友病の主治医に相談してください。血友病の重症度によっては、総合病院や専門的なスタッフのいる歯科医院での治療をおこなう方が良いと判断される場合があります。さらに、血友病の患者さんの治療経験がある歯科医師とネットワークを持っている場合もあり、紹介してもらえることもあります。血友病患者さんの歯科治療は、血友病の主治医と歯科医師の連携が大切になるのです。

しかし、血友病のことを十分理解している歯科医師は正直少ないため、不安がられてしまい、治療を拒否されることもあります。血友病といっても、凝固因子製剤を使用したこともない軽症の方もいることから、歯科医師に血友病のこと伝えずに治療を受けることを選択する方もいらっしゃいます。その場合は、主治医に相談して歯科治療をおこなう前に、どの程度の準備をしたらよいか聞いてください。もし家庭治療をおこなっており、製剤を事前に打てば問題ないと判断された場合、歯科医院に行く30分前に製剤を投与するようにしましょう。もしも途中で不具合がある場合は、すぐに主治医の先生に相談してください。

血友病ことを歯科医師に伝えて治療を受けることを選択する場合は、主治医から医院を紹介してもらうのが最も安全で確実に治療をおこなうことができるのですが、自宅から遠く通院しにくいことなどといった問題もでてきます。医院が決まった場合は、主治医から歯科医師に、血友病は血が止まりにくいため、抜歯などの前に凝固因子製剤を打つ必要があることや、治療後に止血剤を服用するといった程度の処置をおこなうだけで、それ以上の特別な用心は必要ないといった、血友病についての具体的なことを伝えてもらいましょう。他にもご自身で説明が可能であれば、血友病の種類や重症度、現在の治療方法(凝固因子製剤の使用状況)や感染症の有無、口の中の出血の経験の有無、歯科の治療歴、抜歯の経験とその際の治療法、血友病のかかりつけ病院と主治医の名前、連絡先などを歯科医師に伝えてください。気持ちのある医師ならば、この時点でしっかりと対応してくれますし、ここで難色を示すようなら無理をせずに、別の歯科医院を探した方がよいかもしれません。

治療が可能な場合、注意しなければいけないことがあります。消炎剤・鎮痛剤の一部に血液凝固を妨げる成分の入ったものがありますので、これについては先に主治医から入手するか、歯科医院で処方してもらった薬が大丈夫かどうか、主治医に聞いてから使用するようにしてください。

子供の血友病の歯科治療

血友病の子供の歯に、十分気を付けることは、出血の予防に繋がるため非常に大切です。虫歯予防のためにも、哺乳瓶を長く使用したり、幼児期からジュースやイオン飲料を飲む習慣をつけないことも大切です。乳歯は6歳〜12歳くらいにかけて生え変わりますが、歯が抜けてもたいていはすぐに止血することが多いです。永久歯が生え始めたら、大分県の小児歯科の受診をお勧めいたします。適切な歯科治療と定期的な検診がとても重要となります。詳しくは主治医か血友病治療施設に尋ねてください。

毎日のメンテナンスが大切です

血友病の方は、高齢になる前に歯を失ってしまうことが多いといわれています。出血が心配で、歯磨きをしっかりできなかったり、治療の際の出血を恐れて歯科医院での治療を避ける傾向があるため、虫歯や歯周病のリスクが高くなるだけはなく、重症化しがちです。しかし、きちんとケアされている歯茎は歯磨きなどで出血することはありません。また、虫歯や歯周病は早めに受診することで、出血するような治療をおこなうことがなくすみますし、出血するまで気付かないような病気の進行も事前に防ぐことができるのです。血友病の方こそ、毎日の正しい歯磨きなどのセルフケアと、大分県の歯科医院での定期的なメンテナンスが大切なのです。

 

血友病と歯科治療
最新情報をチェックしよう!